中国進出大作戦 ---中国投資に失敗しない方法---
バンブーネットワーク代表神崎憲
第五回 中国ビジネスについて(4)
--さらに合弁会社について--
前回に続き合弁契約交渉で、議論となる問題点について説明します。
出資比率は25%以上
外国側の出資比率は法律上25%以上となっている。この比率は中国側の主導で
何となく
決まるケ−スも多い。外国側が確実に経営権を取る必要がある場合51%以上取
る必要
がある。しかし、中国側も外資マジョリティに対する警戒心や面子があって、
資金不
足にもかかわらず出資50%を要求する場合がある。出資比率に関し、中国側の
態度が
硬直的であったり、一方的であれば、合弁交渉を中断して独資企業や委託加工
などの
別のやり方に方向転換する事を考えてもよい。
出資の内容については、現金・土地・建物・機械設備・技術ノウハウが認めら
れている。
前回土地について説明した。現金以外は、中国側の評価で金額を確定すること
なく、
相場を事前調査すると同時に、場合によっては、外国側の費用で公認会計士に
評価さ
せる事も必要。また技術・ノウハウの中国側の評価は低いので、国際的基準な
どを示す
こと。現金以外の現物出資については問題が多いため、両パ−トナ−とも現金
出資する
ことが理想的である。中国側が現金出資を渋る場合は、自己資金がない場合が
多く、
資金調達力のないパ−トナ−と合弁することは今後の経営に影響する。
董事長、総経理どちらをとるか
合弁企業の組織は非常勤の董事からなる董事会と、常勤の総経理、副総経理の
高級職員
からなる経営管理機構がある。董事会は、年に数回開催して経営方針を決定し
、日常の
経営は総経理を中心として行われる。董事長はかざりのような名誉職で、外国
側として
は、常駐できるなら董事長を選択するよりも総経理を選択すること。合弁企業
の操業開
始後何年間は、経営基盤を強化するためにも名より実を取る事だ。
つぎに高級職員の給与についても紛糾する事が多い。 中国側が「同工同酬」
というこ
とで外国側と同水準を要求してくるが「外国人なみ」の給与を支払うことは他
とのバラ
ンスをとる必要もあるため困難であることを理解してもらう。また中国側から
派遣され
てくる高級職員も、能力を基準にして選ばれている訳ではなく人選に当たって
はこれま
で全く関係がない人が出てくる事もあり、注意が必要である。
仲裁条項のかしこい定め方
トラブルの解決は協議による円満解決が望ましいことはもちろんだが、協議し
ても解決
できない問題については、仲裁で解決するしかない。契約書に、中国側が仲裁
をおこす
場合は日本の仲裁機関、反対に日本側が仲裁をおこす場合には中国の仲裁機関
でそれぞ
れ行う旨定めること。第三国、スエ−デン等での仲裁を規定するものもあるが
、第三国
まで行って仲裁を行うのは困難であり、避けた方がよい。
中国側仲裁機関には、国際経済貿易仲裁協会が北京・上海にあり、日本では社
団法人国
際商事仲裁協会がある。1994年6月1日施行の仲裁規則に関して注意すべきこと
に、簡易
手続の問題がある。仲裁などで審議の対象となる訴額が50万元以下の場合、も
しくは双
方が合意した場合、仲裁人一人で審理、裁決ができる。確かに迅速な処理が期
待できる
が、反対に慎重な審理が望めない場合もでる。
仲裁裁決は、1回限りで、不服申立ての機会がないことを考えて、慎重に選択
すること。
合弁企業の申請・設立の手順
1.中国側と外国側がプロジェクトの内容を記した意向書を交わす
2.プロジェクト建議書を作成する
3.採算見通しを報告するF/S - 可行性研究報告書を作成する
4.工商行政管理局に企業名称の登記を申請する
5.企業の契約書、定款を作成する
6.対外経済貿易主管部門に認可書を申請する
7.商工行政管理局に営業許可書の申請と許可取得
8.税務署に登記し、銀行に口座を開設する
これで合弁契約における問題点を、取り上げました。次回は100% 外国側出資
の独資企業
について説明します。
『中国ミニ知識』
中国の三大経済圏 発展目覚ましい中国の沿岸部は、三大経済圏に分かれ地域
特性は
1.環渤海経済圏
経済人口が約一億人。首都北京のにらみが及ぶ大連・天津・青島。何事も堅実
で保守的、
人々はまじめ、鈍重。-としてより加工基地としての進出が多い。
2.揚子江デルタ経済圏
上海を中心に蘇州・南京・杭州戦前からの産業基盤もあり工業、商業ともに最
も発達して
いる。経済人口は二億人。消費力、成長力は一番高い。人々も洗練されている
が、商売上
手で油断できない。上海は大企業の進出が中心となっているが、中小企業にと
っては車で
一時間程入った地区が狙い目。
3.華南経済圏
廣東省・福建省中心として・廣州・・福州で経済人口が一億人。華僑の進出が
殆どで、法
の網をくぐり抜けることなど当たり前の風土。日本の企業が進出するなら華僑
系企業に委
託加工を出して、華僑のやり方を学んでから合弁へと進むのもよい。(96/11/01)
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