中国進出大作戦 ---中国投資に失敗しない方法---

バンブーネットワーク代表神崎憲

 
第二回
 中国ビジネスについて(1)
 
-初めに 委託生産ありき-

80年代初めに流行したダウンウエア(中棉に水鳥の羽毛を詰めた服)は、殆ど が中国の水鳥を使っていてこの水鳥アヒル・グウ−ズの胸毛の取扱い国営貿易会 社が中国土産畜産進出口総公司でした。1978年に当時友好商社三社にその商品の 代理店権利があたえられて、この製品が日本に登場すると軽くて暖かいことから80 年初めに大流行となった。その当時私も友好商社で担当者として上海・南京・ 福州・武漢・厦門・廣州と足を伸ばし製品の生産指示から検品まで急がしい毎日 を過ごしていました。

この頃から廣州交易会だけでなく中国は通常貿易以外にもさまざまな貿易形態 を開発し、多様化する外国の要望に答えることになる。

多様化貿易の奨励のため次の措置を講じている。

 1.国は物資・資金の面でできる限り支援し、多様化貿易の需要を優先する

 2.設備・原材料を輸入する際、輸入関税を免除する

 3.多様化貿易企業の純収入に対し、3年間工商税を免除する

  1. 多様化貿易企業は対外貿易部門が開催する商談会に加わり、契約に調印ができ る

また各都市に自由に出入りできることになり、直接工場に入って製品作りをす る事が可能になった。当時、原料の羽毛はあっても高品質の生地・付属品がない なかで、どうすれば日本の消費者に満足してもらえる商品を作れるか試行錯誤し ていたことを思い出す。

ここで委託加工の決済方式からみた実務的な流れと手順、そして留意事項を少し詳しく説明します。最初は貿易から始まる双方の取引 もより良いものを作るとなると直接工場に行き、その製品の技術指導をする必要 が出てくる。それで製品のレベルが上がったところで委託加工へ進む。

委託加工の利点は、加工賃を支払うことだけですみ、リスクが少ない事である 。また工場幹部・労働者が優秀なところであれば、その次のステップとして合弁 経営も考えてよいだろう。とにかくはじめに委託加工ありきだ。 委託加工の方 式はいくつかあり相手側とどの方式を採用するかよく話合うこと。

1.逆委託加工方式 原材料を日本から無為替輸出し、製品輸  入に際して加工賃のみを支払う 方式。委託加工が始まったばかりのころは、中国側に資金がなく殆どこの方式を 取っていた。今も縫製品や雑貨品で一般的に採用されている。 しかしこの方式 では原材料が無償提供となるため在庫管理が悪いと横流しされたりするケ−スも ある。

2.対開信用状方式 これは・-方式と言われている方式。中国側の原材料輸入は90日後や180日後 支払いの信用状、日本側の製品輸入は一覧払の信用状で決済する。

納期があえば中国側は日本からの支払いを受けてから原材料代金を支払うこと になるので負担が減り、日本側も無償提供でなくなるのでリスクが軽減される。

  1. 原材料の輸出と製品の輸入契約を切り離し、別々に決済する方式で、最も安全 な方法

最近は中国側も資金が十分有るところはこの方式でやってくれる。しかし別個 の決済の

ため、上記の二方式と違って中国側の原材料輸入では関税が発生し製品単価に 加算されているので注意が必要。 

 

4.補償貿易 一種のバ−タ−方式。高品質の製品を要求すると中国の現有の設備では無理 な場合日本から設備を提供することになる。そのとき日本側が提供した機械設備 や必要

資材によって生産された製品を、1年から3年の分割払いで償還してもらう。 決済方法は製品単価を100とすると80とか90で輸入し決済される。この方式では 製品が入荷しないと設備代金の償還がされない。中国側の製品価格のアップで引 取れなくなって償還できず泣き寝入りしているケ−スもある。やはり、無償提供 なのでリスクは大きい。

最近は対開信用状方式をとって回収不能を避けることや、別個の輸出契約をと ることを薦めている。

これで委託加工の実際をみてきたわけですが、この取り引きを通じ中国の実情 を知り、合弁経営に進んだ企業が多く、成功しているさて、次回は中国への直接 投資に進みます。 ( 96/09/23 文責:神崎憲)


  『中国ミニ知識』 中国投資の主な形態

1.委託加工

来料加工--中国側に原材料を提供し指定した製品に加工する

 来様加工--サンプルを提供し中国側の原料で製品を生産する

 来件加工--中国側に部品を供給し組立加工させる

2.補償貿易

 中国側に機械設備を提供し加工賃の一部で設備代金を回収する

3.合資経営(いわゆる合弁経営)

 共同出資共同経営、出資比率に応じて利益分配

4.合作経営

 --との利益分配、危険負担は契約書で規定

5.独資経営(100%外資経営)

 日本側の全額出資、自ら経営し、危険も自己負担


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