中国進出大作戦 ---中国投資に失敗しない方法---
バンブーネットワーク 代表 神崎憲
第十回 最新中国労働事情(3)
--今回は、中国人スタッフ・労働者の雇用・賃金について参考になると思われ
る事項をまとめてみました。--
雇用について 外国企業が現地法人を設立し、従業員を採用する場合の具体的な方法としては
、
(1)新聞広告・看板の掲示などで募集する。
(2)服務公司に依頼して募集する。
(3)合弁のパートナーから派遣・紹介してもらう。
(4)大学新卒者の採用は大学当局経由の求人手続きをして公募する。
(5)労働部門の許可により、他省より採用する。
いずれも独自に公募して採用ができるが、服務公司に依頼する場合では、一人
当たり50ー100元の紹介料が必要。合弁パートナーからの派遣では、余剰人
員の押しつけや縁故者の採用に注意が必要である。他省からの採用では、寮・社
宅を用意する必要があるが個室まで提供する必要はない。一般に4人部屋で十分
である。大連のある日系の合弁企業で一人部屋を提供していて解雇者が部屋を明
け渡さないケースもでている。また、中国では戸籍の移動に制約があり、他省か
ら採用するより地元で採用できないかということもあらかじめ調査しておく必要
がある。
次に雇用する際に注意する点として、まず正式な書面による雇用契約を締結すること。それには雇用条件、
就業規則を具体的に書いておくことが必要である。特に、就業規則には日本では
常識的な事柄も規定しておくことや、進出先の日系企業の就業規則を参考に見せ
てもらい、その地域・土地柄で起こりうる制限事項も規定すること。日本での研
修など多額のトレーニング費用をかける場合には、一定期間内の退職制限事項を
設けておくこと。試用期間を設けて不適格者の採用取り消しもできるので雇用の
際には必ず明記しておくこと。同じ中国人であっても地域によっては言葉が全く
違うことや、気質も、我々日本人が考える以上に違っているので配慮が必要。
人件費について 沿岸地域・内陸地域と一概にはいえないので、大連の開発区に進出した中
小企業の例を紹介します。 工場労働者で、450ー600元。熟練労働者で、
800ー1000元。管理職で、2000ー2500元程度。これらは手取額で
別に諸手当として、失業保険が手取額の1ー3%、健康保険が10%、住宅補助
金が15ー25%などあり企業が負担している。また最近人件費のアップ率は毎
年30%程度上昇していて、今後も高い水準で推移していくので、ある企業では
、人件費のアップを押さえるため、25歳で退職してもらう年齢制限を雇用時に
規定して、雇用契約しているところもある。
駐在事務所のスタッフの雇用 中国に初めて進出する場合、駐在員事務所を設けて活動を始めるケースも
多い。この時駐在員として、また日本人駐在員のアシスタントとして日本語を話
せる中国人を採用するにはどうするか。駐在員事務所は、法律上、中国人スタッ
フを直接雇用することはできない。各都市の人材派遣機関(対外服務公司)を通
じて採用し、雇用契約は外国企業と対外服務公司との間で結ばれる。したがって
、支払う給与も服務公司から本人に支払われる。具体的には、企業が服務公司に
支払った額の45%が、服務公司から本人に支払われ、そのうちから5%を福祉
・失業基金として差し引かれる。つまり、企業の支払額の40%が本人の手取り
となる。例えば、大学新卒、日本語のできる男性で、企業支払額が、2700元
。本人手取額が、1215元。この他に食事手当など1500元を直接本人に支
払うのが通常である。この他に、特定の中国人を雇用したい場合でも、この服務
公司を通じる形式にすれば雇うことができる。
『誌上アドバイス』
Q.(1)中国の進出先決定に際してのチェックポイントについて教えてください
。
A.チェックポイントとしてこれまでのことをまとめると:
1.進出先におけるインフラ整備の状況を現地にゆき一つ一つチェックする。
2.進出先における優遇措置の実施状況を現地にゆき再確認する。
3.進出先における行政機関の支援の程度・実状を現地で聞いてみる。
4.進出先における労働力の状況を現地でチェックしておくこと。
5.進出先における、輸送・港湾・海上輸送などデリバリーについてチェック
する。
Q.(2)これまで中国に進出した企業が失敗した理由、成功した理由は何ですか
?
A. 失敗する理由は細かく分ければたくさんあるが、まとめると:
1.事前調査が不十分であった。
2.安易な進出、事業計画の甘さ
3.パートナ ー選択の誤り。の三点に集約できる。
上に述べたチェックポイントについて徹底的 に調査すると同時に、パート
ナー選択のための調査も重要。 次に、成功理由として次のようなことを、
現地で聞く。
1.既存の設備、建物を利用し、初期投資を押さえたため、堅実な経営ができ
た。
2.原材料調達が難しいとよく聞くが、原材料を中国に求めなかったことを成
功要因としてあげている企業もある。
3.日本式経営方式を徹底させた。経営、技術の主導権がとれた。
4.中国側経営者によい人材を得た。よいパートナーに恵まれた。
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